「音楽がもつ力ってすごい!この力を活かした仕事がしたい!」
「音楽が好きだから、音楽に関わる仕事がしたい。」
「人をサポートする仕事がしたいんだけど、趣味の音楽が活かせたらもっといいな。」
音楽がもつ力を活かし、リハビリテーションやカウンセリングといった分野で活用されている音楽療法。
音楽療法士は、専門的な知識とスキルで音楽の力を活かす専門職です。
音楽の知識や経験を活かしたい、という方にとって魅力的な仕事と言えますね。
とはいえ、音楽療法士について調べようと思うと、
- 「仕事がない」
- 「給料が安い」
という気になるワードが出てきます。
目指してみたい資格についてそんなワードが出てきたら、不安になりますよね。
今回は音楽療法士について、実際に仕事が少ないのか、給料はどうなのか、気になる点を調べてみました。
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音楽療法士の求人が少ない理由
音楽療法士が活躍できる場所は多岐に渡ります。
医療現場に限って見ても、大病院から個人経営のクリニックまで色々。
企業やNPO法人などでも活躍できるでしょう。
ところが、音楽療法士としての求人はそれほど多くありません。
理由は大きく2つあります。
- 音楽療法の認知度が低いため
- 音楽療法士が民間資格であるため
1つずつ見ていきましょう。
音楽療法の認知度が低いため
現在の日本では、音楽療法という分野に対する認知度がまだまだ低い傾向。
まだ新しい分野ということもあり、音楽療法の効果について、科学的な根拠があっても一般的に知られていないのです。
そのため、音楽療法士単体での求人は少なく、他の職業との兼業となることが多くなります。
音楽療法士が民間資格であるため
音楽療法士の資格は民間資格。
民間資格とは、企業や団体が認定している資格のことで、国家資格に比べると権威性が低くなります。
リハビリ分野で活躍する国家資格
- 理学療法士
- 作業療法士
- 言語聴覚士
- 視能訓練士
- 柔道整復師
- あん摩マッサージ指圧師
- 義肢装具士
民間資格だから悪い、劣っている、ということではありません。
民間資格は認定する企業・団体が異なると、認定基準も変わってきます。
同じ資格をもっていても、人によって知識、スキルに差が出ることもあり、そこも需要や求人に影響しているようです。
また、音楽療法士は名称独占資格ではありません。
名称独占資格は、資格がなければその仕事ができないというもの。
音楽療法士は指定がないため、資格がなくても音楽療法の仕事を行うことができるのです。
音楽療法士の求人の現状
音楽療法士としての求人は、非常勤職員、常勤職員それぞれ半々ほどの割合になります。
働く場所によっては、音楽療法士以外の資格や知識が求められる場合も出てくるでしょう。
音楽療法士の求人があるのは次のような場所です。
音楽療法士の求人
- 高齢者施設
- 障害者施設
- 児童施設
- 医療施設
それぞれ詳しく解説していきます。
高齢者施設
老人保健施設、特別養護老人ホーム、デイサービスなど、様々な高齢者施設で音楽療法が取り入れられています。
心身の健康維持をはじめ、認知症ケアや気持ちのケアとして効果を発揮。
利用者同士の交流のきっかけにもなっています。
現場では介護職員が音楽療法士を兼任する、というパターンも。
求人についても、高齢者のケアについて知識や経験を求められることもあるようです。
障害者施設
自立訓練所、生活介護施設などで支援を行う仕事が中心。
情緒の安定を図ったり、認知的な発達を促したりする効果が期待されています。
対象は、子どもから大人まで幅広い年齢層になるでしょう。
児童施設
児童発達支援施設、放課後等デイサービスなど、子どもの発達を支援する施設・事業所が中心。
学校現場でも、子どもの心身のケアや支援として、音楽療法を取り入れるところが出てきています。
医療施設
精神科をはじめ、音楽療法を取り入れているところは多岐に渡ります。
リハビリテーションの一環として、音楽療法を取り入れることも多いようです。
患者の気持ちのケアだけでなく、身体機能の面でも音楽療法を取り入れる効果が。
音楽療法士の求人については、一般社団法人日本音楽療法学会のホームページにも掲載されています。
どんな企業や団体が求人募集をしているのか、参考にしてみてください。
音楽療法士の給料はどれくらい?
音楽療法士の給料
- 初任給 約15~16万円
- 平均給与 約28万円
- 平均年収 200~350万円
音楽療法士は、ほとんどがリハビリ関係職、介護職との兼職。
そのため音楽療法士単体での収入は分かりにくいのですが、おおよその相場は上記の内容になります。
一般企業の新卒会社員と比べると、安い金額になっていますね。
音楽療法士の給料の特徴
- 就職する場所、兼職する職業によってかなり幅がある
- 音楽療法士は非常勤職員やフリーランスになることも多く、給料が上がりにくい
- 非常勤職員の場合、ボーナスが出ないことが多い
給料が少ない、給料が上がりにくい理由は、やはり音楽療法士の資格の認知度の低さが挙げられます。
国家資格は資格手当がつくことがありますが、民間資格であり、認知度の低い音楽療法士に資格手当がつく確率は低いのです。
音楽療法の仕事をしながら、安定した収入を得るには
音楽療法と他の職業をうまく合わせて仕事をすることを考える
音楽療法士の需要は決して少なくありません。
海外では専門職として活躍している方もいますし、日本でも認知度が上がる可能性は高いと考えられます。
しかし、音楽療法の認知度が低い日本の現状では、音楽療法士単体で安定した収入を得るのは難しいでしょう。
ここで、音楽療法士と兼職されることが多い職業の収入についても見てみましょう。
平均給与 | 平均年収 | |
作業療法士 | 28万4000円 | 約405万円 |
理学療法士 | 23.4万~33.7万円 | 約300万~560万円 |
言語聴覚士 | 約25~30万円 | 約350~450万円 |
勤務先、勤続年数などによって差は出てきますが、基本的に音楽療法士より高い水準となっています。
また、どれも国家資格であり認知度も高い資格です。
こうした職業と音楽療法士と兼職することで、音楽療法の仕事をしながらも安定した収入を得ることができるでしょう。
福祉系の資格などとの合せ技がおすすめ
上記でも解説しましたが単独ではなかなか仕事がない音楽療法士。
いろいろな資格とあわせて活かすのがいいでしょう。
以下おすすめの資格をご紹介。
おすすめ
- 保育士などの子どもの資格→(児童に関わる資格5選!おすすめの通信講座もご紹介)
- 心理カウンセラー→(心理カウンセラー資格の難易度は? 独学で取得する方法まとめ)
- レクリエーション介護士→(レクリエーション介護士資格は独学で取得できる? おすすめテキストや通信講座は?)
- 音楽健康指導士 → 音楽健康指導士とは 履歴書に書ける?【難易度・合格率・口コミ】
など
福祉系、心理カウンセリングなどと相性がいい音楽療法士。
組み合わせると更に力を発揮するので、ぜひ資格を取得してスキルアップしていきましょう。
まとめ
ポイント
- 音楽療法士は認知度が低いため、需要があっても求人が少ない
- 音楽療法士と他の職業を兼職する人が多い
- 音楽療法士の年収は低い傾向にあるため、収入を増やすには他の職業との兼職がおすすめ
音楽療法の効果は古くから認めらており、様々な場面で効力を発揮してきています。
音楽の力で人を助けたいという方にとって、音楽療法士が魅力的な仕事であることも間違いありません。
音楽療法士の現状を理解した上で、あなたらしい働き方を目指していきましょう。