様々な業種・職種の仕事で溢れかえる世の中。
人が生きていくためには何かしらの仕事に就かなければなりませんが、職場によっては劣悪な環境が当たり前だったり、ハラスメントが横行している場合も・・・。
これらは働く上で従業員のモチベーションの大きな妨げになり、心身の健康を損なってしまう原因にもなっています。
産業カウンセラーは心理学の観点から従業員のメンタルヘルスケアを行い、彼ら/彼女らが自力で問題を解決できるようにサポートすることを主な業務としています。
もちろん、これ以外にも様々な仕事がありますよ。
そこで今回は、
- 産業カウンセラーの仕事内容
- 産業カウンセラーが活躍できる場
- 産業カウンセラー試験の難易度
の3点について解説していきます。
産業カウンセラーの仕事内容
まず、産業カウンセラーの仕事内容から説明します。
その仕事内容とは、大きく分けて次の3つ。
- メンタルヘルスケア
- キャリア開発援助
- 職場の人間関係の開発援助
メンタルヘルスケア
産業カウンセラーの仕事内容の1点目は、メンタルヘルスケア。
冒頭でも述べた通り、労働者の中には劣悪な環境下で働かされていたり、ハラスメントが横行していて苦しんでいる方がたくさんいらっしゃいます。
加えて、雇用の不安定化や成果主義の導入により、過去とは比較にならないほど現代の労働者は強いストレスに晒されています。
この状態が長く続くとどうなるか。
モチベーションが上がらず仕事の生産性が低下したり、小さなミスを何度も犯すようになったりと、少しずつ心身に不調がでてきます。
これが積み重なって自分が許容できるストレスの範囲を超えると、うつ病などの心の病気を発症することに・・・。
産業カウンセラーのメンタルヘルスケアは、こうした労働者1人1人と個別カウンセリングを実施。
ストレスとの上手な付き合い方や病気を予防する方法について助言しています。
もちろん、これらの問題は一労働者だけでどうにかできることでもないので、企業などの組織を運営する管理者・監督者へのメンタルヘルス研修なども行っていますよ。
1人でも多くの労働者が自分のいる場所で気持ち良く働けるよう、心理的アプローチを進めるのが産業カウンセラーといえるでしょう。
キャリア開発援助
産業カウンセラーの仕事内容の2点目は、キャリア開発援助。
時代とともに企業の在り方や労働に対する考え方も大きく変化し、近年は仕事とプライベートとのバランスを意識した労働者も増えてきました。
また、正社員だけに留まらず雇用形態も多様化し、近年は非正規労働者に対する福利厚生なども大きな問題になっています。
激変する社会にあって自分のキャリアが今後どうなっていくのか、将来に不安を抱く人が増えても不思議ではありません。
そんな1人1人のキャリア形成を図り、より良い生活を目指していくサポートをすることもまた、産業カウンセラーにとって大切な仕事といえるでしょう。
職場の人間関係の開発援助
産業カウンセラーの仕事内容の3点目は、職場の人間関係の開発援助。
労働に関する悩みのうち、恐らく大半の方は職場の人間関係を挙げるのではないでしょうか。
同僚はもちろん、上司あるいは部下との人間関係は、仕事をスムーズに進める上でも大切なことですよね。
また、パワハラやセクハラなど、立場を利用した暴力で従業員が苦しめられている場合もあります。
こういった問題は後から追いかけてもなかなか根本的な解決には至りません。
もちろん、職場の人間関係といっても性格や考え方の合う合わないは人それぞれ違いますし、中には一緒に仕事したくないと思ってしまうようなケースもあるでしょう。
そんな場合にどう対処するか、従業員1人1人が成長できるような人間関係の構築に向けたアプローチを提案するのが産業カウンセラーです。
職場環境や人間関係が円滑なところで働きたいと思うのは、人として自然なこと。
1人でも多くの方がこういった悩みを乗り越え、より気持ち良く働けるようにサポートする産業カウンセラーの使命は非常に大きいといえるでしょう。
産業カウンセラーが活躍できる場
産業カウンセラーと聞くと企業での活躍が中心になるイメージがありますが、実際には企業以外でも様々な組織で活躍の場が用意されています。
その具体例を挙げてみると、学校や役所といった公的機関、病院などの医療施設、老人ホームなどの福祉施設といったところでしょうか。
どんな場所であっても、そこで実際に働いているのは「人」ですし、労働者の数だけ悩みもあります。
そう考えると、産業カウンセラーはどんな場面でも求められている貴重な存在といえるでしょう。
産業カウンセラー試験の概要と難易度
悩める社会人の役に立つことができる産業カウンセラーですが、その試験についての概要や難易度が気になるという方も多いのではないでしょうか。
以下では、
- 産業カウンセラー試験の概要
- 産業カウンセラー試験の難易度
の2つについて、1つずつ解説していきます。
産業カウンセラー試験の概要
まず、産業カウンセラー試験の概要から説明しますね。
産業カウンセラー試験を受験するためには、以下のどちらかの受験資格が必要です。
- 成年に達しており、「日本産業カウンセラー協会」が主催する養成講座を修了した者
- 大学院にて所定の学問を修了していること
2番目の受験資格については、大学ではなく「大学院」であることに注意してください。
2019年までは所定の単位を取得している「学士」の受験も認められていましたが、2020年度以降は「修士」以上に限られています。
試験は学科試験と実技試験があり、このうち学科試験は5つの分野から学科試験1と2とに分けて出題されます。
実技試験については、受験者どうしでのロールプレイングおよび試験管との口述試験がメイン。
産業カウンセラー試験の難易度
産業カウンセラー試験の難易度については、公式HPの試験結果を参考に解説していきますね。
試験種類 | 学科試験 | 実技試験 |
受験者数 | 1,647名 | 556名 |
合格者数 | 1,116名 | 374名 |
合格率 | 67.8% | 67.3% |
総合合格者数 | 1,076名 | |
総合合格率 | 61.2% |
学科・実技ともに70%近い合格率を誇っており、数字を見る限りではそんなに難しくない試験と感じるかもしれません。
ただし、ここには落とし穴が。
先述の通り受験者には受験資格が課せられており、養成講座あるいは大学院で所定の学問を修了していることが条件です。
つまり、受験者の多くは産業カウンセラーに関する知識をすでにある程度有しているということ。
そんな人たちでも半数近くは不合格になっているのです。
合格率の高さだけに惑わされず、きちんと試験対策を講じ、確実に得点できるようにすることが大切といえるでしょう。
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まとめ
- メンタルヘルスケア、キャリア開発援助、職場の人間関係の開発援助が主な仕事
- 業種・職種を問わず、幅広い場面で活躍できる
- 試験を受けるためには受験資格が必要
- 学科・実技ともに合格率は約70%(2021年度実績)
産業カウンセラーの仕事内容や活躍できる場、試験の難易度について解説してきました。
悩める労働者たちを1人でも多く救うために、あなたも産業カウンセラーを目指してみませんか。