経営に関する資格と聞いて真っ先に思い付くのは、中小企業診断士。
試験は1次・2次と分かれており、ストレートで合格する確率がわずか4%といわれていることから、非常に難易度の高い資格としても有名です。
そんな中小企業診断士ですが、実際のところどんなふうに社会で役立つのか、取得するメリットはあるのかどうか気になっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
そこで今回は、
- そもそも中小企業診断士とは?
- 中小企業診断士資格の取得は意味がない?
- 中小企業診断士資格を取得するメリット
の3点について解説していきます。
そもそも中小企業診断士とは?
素朴な疑問として、中小企業診断士とは一体どんな資格なのでしょうか。
中小企業診断士の仕事は、企業の経営状況をあらゆる面から分析して改善点を洗い出し、より良い経営へと導いていくアドバイザー、つまり経営コンサルティング業務がメイン。
資料の読み込みはもちろん、社員へのヒアリングや会社訪問を行い、企業に提出する報告書も作成することから、高いコミュニケーション能力と論理的思考力が求められます。
資格名には「中小企業」とありますが、もちろん中小企業だけではなく大企業・零細企業、そして業種を問わずに幅広く役立てられるのが中小企業診断士の資格。
資格取得後は企業内診断士として普段の勤務内容と並行しながら業務を行う場合もあれば、独立診断士として自分で企業と契約を結びながら業務を進めていく場合とがあります。
コンサルティング業務以外にも、たとえば執筆やセミナーなど、活躍の幅が広いのも中小企業診断士資格の特徴といえるでしょう。
中小企業診断士資格の取得は意味がない?
あらゆる場面で役立てられる中小企業診断士資格ですが、取得しても意味がないという声も挙がっているとのこと。
一体なぜなのでしょうか。
その理由を調査したところ、以下の3点にまとめられそうです。
注意ポイント
- 経営コンサルティング業務は資格がなくてもできる
- 独占業務があるわけではない
- 受験者の単なる負け惜しみ
経営コンサルティング業務は資格がなくてもできる
中小企業診断士資格を取得する意味がないといわれる理由の1点目は、経営コンサルティング業務そのものは資格がなくてもできるということ。
実際に「経営コンサルタント」を名乗っている方の中には、中小企業診断士の資格を取得していない人もいらっしゃるようです。
ただ、資格があるのとないのだったら、ある方がやはり顧客からの信頼度は上がりますよね。
資格を取得していれば専門的な知識を持っているということの証明にもなりますから、その人のほうに仕事を依頼したいと思うのは自然なことなのではないでしょうか。
独占業務があるわけではない
中小企業診断士資格を取得する意味がないといわれる理由の2点目は、中小企業診断士になっても独占できる業務があるわけではないこと。
独占業務とは、その資格を持っている人でないと行うことができない業務のことで、社労士や行政書士、公認会計士といった士業には独占業務があるのが一般的です。
ところが、中小企業診断士に関してはそれがないため、資格を取得する意味がないといわれる理由になっているようです。
「独占業務がないから資格を取る意味がない」という短絡的な見方をするのではなく、「独占業務がないからこそできることが増える」といった視点を持つことが大切なのではないでしょうか。
受験者の単なる負け惜しみ
中小企業診断士資格を取得する意味がないといわれる3点目の理由は、受験者の単なる負け惜しみであること。
当記事の冒頭でも述べたように、中小企業診断士試験は1次・2次とに分かれており、この両方にストレートで合格する確率はわずか4%程度といわれています。
1科目でも落とすとその科目は不合格となって1次試験を突破できず、従って2次試験に進むこともできないため、結果として何年間にもわたって試験に挑戦することに・・・。
こうした背景から、「こんなに何年も勉強し続けないと取れない資格なんて意味が無い!」と、負け惜しみのような言葉が出てくるようになったそうです。
こうした意見が出てくるのは、「中小企業診断士試験にストレートで合格すること」に執着し、それが「偉い」、「カッコイイ」と思い込んでいるということが考えられるでしょう。
ストレートで合格するのは確かに凄いことには違いありませんが、だからといって「偉い」ということにはなりません。
どんな状況にあったとしても自分に言い訳せず、最後まで諦めずに努力とチャレンジを続けた人こそが、本当にカッコイイ人なのではないでしょうか。
中小企業診断士資格を取得するメリット
中小企業診断士資格を取得する意味がないのかどうかについて解説してきました。
では、中小企業診断士資格を持っているとどういったメリットがあるのでしょうか。
ポイント
- 社会的評価が高まる
- 独立開業ができる
- 誰かの役に立つことができる
1つずつ解説していきますね。
社会的評価が高まる
中小企業診断士資格を取得するメリットの1つ目は、社会的評価が高まること。
中小企業診断士は名実ともに難関資格として認知されているので、これを取得することで「忍耐力がある」、「努力ができる」ということの証明になります。
どちらの能力も社会の中の様々な場面で欠かせないですから、この2つが備わっている人物と評価されるのは決してマイナスに働くことはないといえるでしょう。
また、専門的なスキルや知識を身に付けていることで信用が高まり、仕事の幅を広げることもできます。
年収アップも夢ではないので、自分の可能性を大きく広げられるという意味でも、中小企業診断士資格の取得はメリットがあるといえるのではないでしょうか。
独立開業ができる
中小企業診断士資格を取得するメリットの2つ目は、独立開業ができること。
中小企業診断士に独占業務がないことは先述した通りですが、その分、業界を超えた活躍や自分の経験・得意ジャンルを活かした業務が可能です。
どういったものがあるかというと、たとえば中小企業診断士の知識を活かした執筆活動や講演会への登壇、資格スクールの講師などでしょうか。
中小企業診断士として事務所を開くだけがすべてではないところに、この資格を取得するメリットがあるといえそうですね。
誰かの役に立つことができる
中小企業診断士資格を取得する3つ目のメリットは、誰かの役に立つことができるということ。
中小企業診断士は企業の経営の現状を把握した上でより良い状態にもっていこうとする経営コンサルティング業務を主としています。
企業の中には、経営者でありながら自社の経営状況をきちんと把握できていなかったり、そもそも経営が苦手だという方もいらっしゃいますよね。
こうした人々にとって、専門的な知識を持って的確にアドバイスしてくれる中小企業診断士は非常に助けになる存在です。
また、中小企業診断士としての執筆や講演会などの活動によって触発される方もいらっしゃいます。
中小企業診断士は社会生活を送るすべての人びとにとって役に立つことができる、そんな素晴らしい資格なのです。
まとめ
- 経営コンサルティング自体は資格がなくてもできるが、能力があることを証明できる
- 独占業務があるわけではないが、その分、仕事の幅が広がる
- 社会的評価が高まり、自分の可能性が広がる
- 事務所を開く以外にも、執筆や講演会など幅広く活躍可能
- すべての企業・人びとの役に立つことができる
中小企業診断士資格は意味がないのか、取得するメリット等について解説してきました。
取得するまでの道のりは決して平坦ではないですが、だからといって意味がない資格だと決めつけるのは早計です。
中小企業診断士資格の取得は意味がないといわれたら受験を迷ってしまいそうになりますが、決して思い悩む必要はありません。
ぜひ、自分の信念を最後まで貫いて、合格を勝ち取ってくださいね!