中小企業診断士といえば、経営コンサルティングを中心に業務を行う国家資格。
将来的な独立開業も目指せることから、社会人の間でも特に有名ですよね。
資格名に「中小企業」とあるように企業が主な顧客となりますが、他の資格と組み合わせることでよりクライアントの幅を広げることができます。
また、ダブルライセンスによって経営分野に留まらない様々な専門知識を身に付けられるため、業務範囲を広げることにも繋がりますよ。
今回は、
- 中小企業診断士の試験概要
- 中小企業診断士と相性の良いオススメ資格5選
の2つを中心に解説していきます。
中小企業診断士の試験概要
まず、中小企業診断士の試験概要について改めてご紹介します。
公式サイトの情報をもとに、以下の表にまとめました。
受験資格 | 1次試験:不問 | ||
2次試験:1次試験合格者のみ | |||
1次試験受験日時と科目 | 2022年8月6日 | 9:50~10:50 | 経済学・経済政策 |
11:30~12:30 | 財務・会計 | ||
13:30~15:00 | 企業経営理論 | ||
15:40~17:10 | 運営管理 | ||
2022年8月7日 | 9:50~10:50 | 経営法務 | |
11:30~12:30 | 経営情報システム | ||
13:30~15:00 | 中小企業経営・中小企業政策 | ||
1次試験合格発表日 | 2022年9月6日 | ||
2次筆記試験受験日時と科目 (※2022年度は未公表のため、 2021年度実施分を参照) | 2021年11月7日 | 9:40~11:00 | 中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅰ |
11:40~13:00 | 中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅱ | ||
14:00~15:20 | 中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅲ | ||
16:00~17:20 | 中小企業の診断及び助言に関する実務の事例Ⅳ | ||
2次筆記試験合格発表日 | 2022年1月14日 | ||
2次口述試験受験日時 | 2022年1月23日 | ||
2次口述試験合格発表日 | 2022年2月2日 |
この表をご覧いただくとわかる通り、中小企業診断士は1次・2次試験とあり、しかも2次試験は筆記試験に合格した人でないと口述試験に進むことができません。
かなり長丁場な試験になるので、入念な準備が必要なのは言うまでもないですね。
中小企業診断士の2次試験に進むためには、1次試験で課される7科目すべてに合格しなければならないのですが、その足切りとなる基準が非常に厳しいことで有名です。
その基準とは、総得点の420点以上かつ7科目で41点以上とっていること。
つまり、「苦手科目は落とせば良い」という考えは通用せず、どの科目もまんべんなく学習しておかなければならないのが辛いところです・・・。
ただ、中小企業診断士試験は何も一度の受験で全科目を合格する必要はありません。
「科目免除制度」といって、合格した科目については申請を出すことで翌年と翌々年の試験を免除できる制度があります。
従って、試験に再チャレンジする場合は不合格だった科目のみを重点的に学習すれば良く、全科目を勉強するよりも遥かに効率的に学び直すことができます。
この制度を利用して敢えて試験を数年間に分けて受験する方もいらっしゃるので、自分の学習レベルや進捗状況に合わせて上手に制度を活用しましょう。
中小企業診断士と相性の良いオススメ資格5選
中小企業診断士試験の概要について紹介したところで、中小企業診断士と相性の良い資格当サイトのオススメ5選について紹介していきます。
複数のサイトの調査結果をまとめたところ、
ポイント
- 行政書士
- 公認会計士
- 社会保険労務士(社労士)
- ファイナンシャル・プランナー(FP)
- 弁理士
の5つが特に相性が良いことで人気のようでした。
これから1つずつ解説していきますね。
行政書士
中小企業診断士と相性の良い資格の1つ目は、行政書士。
行政書士は法律に関する専門家として高いスキルと知識が求められる国家資格です。
官公署への提出書類の作成・申請代行や、契約書・遺言書などの権利義務書類の作成代行などを主な業務としていて、企業だけではなく私たちの生活とも密接に関わりがあります。
他にも、行政書士は会社の設立や事業開始時の許認可の取得代行業なども行えるのが大きなメリット!
中小企業診断士とのダブルライセンスがあることで事業の立ち上げからその後の経営コンサルティングまでずっと携われるため、企業からの信頼を得やすくなります。
企業から見ても相談事項があるたびに専門家を変更するのは手間なので、ダブルライセンス保持者がいると一本化できて安心ですよね。
行政書士試験の合格率は例年10%前後であることから決して簡単に取得できる資格ではないものの、個人での顧客も付きやすいことから、取得しておいて損はない資格といえるでしょう。
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公認会計士
中小企業診断士と相性の良い資格の2つ目は、公認会計士。
公認会計士は資格名に「会計」とある通り、財務や監査の面から企業にコンサルティングを行う資格です。
難易度は非常に高く、医師・弁護士と並んで「三大国家資格」と呼ばれているほど。
中小企業診断士と公認会計士のダブルライセンスを取得するメリットは、それぞれの得意・不得意を補い合いながら業務を行えるという点です。
どういうことかというと、中小企業診断士は戦略立案や組織運営など、実務に特化したコンサルティングが得意ですが、財務などの数字管理には強くありません。
公認会計士の場合は財務分析など数字を中心とした提案が得意な一方、実務面でのオペレーションについては不利な傾向にあります。
企業にとっては経営・財務どちらも絶対に欠かすことのできない要素ですから、両方の面からサポートできるダブルライセンス取得者がいればかなり心強いのではないでしょうか。
社会保険労務士(社労士)
中小企業診断士と相性の良い資格の3つ目は、社会保険労務士(社労士)。
社労士は人事労務に関する国家資格で、労基法や社会保険など、トラブルになりがちな労働問題と向き合えるスペシャリストとして近年ますます需要が高まっています。
中小企業診断士は経営コンサルティングに関する業務が中心ですが、その傍らで企業から人事労務に関するアドバイスを求められることも少なくありません。
経営といっても、実際に企業を動かしているのは、そこで働いている「人」です。
企業で働く人びとの労務管理がまともにできていなければ、どんなに立派な戦略を立てていても無意味になってしまいますよね・・・。
そんな時、社労士の資格を併せて取得していれば労務問題についても的確な提案ができますから、企業としても労働者としてもすごくありがたい存在といえるのではないでしょうか。
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ファイナンシャル・プランナー(FP)
中小企業診断士と相性の良い資格の4つ目は、ファイナンシャル・プランナー(FP)。
これは金融や税金などに関する資格で、資金繰りやライフプランニングなど財政面での相談に対応することができます。
特に資金繰りは企業が事業を継続していく上で非常に重要なことですから、その専門知識を持ったFP資格の需要は今後ますます高まっていくでしょう。
FPの金融知識に加えて中小企業診断士から経営に関する助言を受けることができれば、企業にとってこれほど心強いことはありません。
また、FPは個人顧客を獲得するのにも非常に有効な資格です。
人生設計をどう組み立てるか、その際にどの程度資金が必要なのかというのは、私たち個人にとっても大きな悩み。
そんな時にFPの資格を有していれば個人客の対応も可能なことから、中小企業診断士とのダブルライセンスを目指す方は多いようですね。
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弁理士
中小企業診断士と相性の良い資格の5つ目は、弁理士。
あまり聞き慣れない資格名ですが、弁理士とはひと言でいうと知的財産に関するスペシャリスト。
弁理士の試験範囲は著作権法や商標法、意匠法など、中小企業診断士試験とは直接関係がないように思えるかもしれません。
しかし、実は中小企業診断士試験の「経営法務」に知的財産に関する分野が含まれているのです。
弁理士の資格を取得することで当該部分を専門に扱うことができるようになるため、その知識を経営コンサルティング業務にも取り入れることが可能に!
企業独自の商標や著作権を巡るトラブルも近年は後を絶たないですから、その専門知識を併せ持った人がいると安心できますね。
まとめ
- 中小企業診断士試験は約1年がかりでの準備が必要
- 中小企業診断士と他の資格を組み合わせることで仕事・顧客の幅を広げられる
- 法律・財務・金融・人事労務・知的財産などと関わる資格と相性が良い
中小企業診断士試験の概要と、中小企業診断士と相性の良いオススメ資格5選について紹介してきました。
相性が良いといっても、どの資格も簡単に取得できるようなものではないので、何年も時間がかかることは覚悟しておいたほうがいいかもしれません。
でも、資格の勉強をすることで新たな知識も身に付くので、その努力が無駄になることもまた決して無いといえるでしょう。
中小企業診断士資格をすでに取得されている方や、自分の仕事の可能性を広げたい方は、ぜひチャレンジしてみてくださいね!