医師の補助的な業務を行う仕事として注目を集めている「メディカルセクレタリー」。
別名、医師事務作業補助者ともいいます。
資格取得をご検討中の方、医療事務とどちらを取得しようかお悩み中の方などもいらっしゃるのでは?
民間資格のため、「一般財団法人日本医療教育財団」や「全国医療福祉教育協会」など複数の認定機関が試験を実施しています。
その中の一つ、「NPO法人日本メディカルセクレタリー機構」のメディカルセクレタリー(初級)認定試験。
名称も医療事務資格とも似た印象がありますが、実際のところ
- どんな資格?
- 合格率は?
- 勉強方法・難易度は?
など、気になりますよね。
そこでこの記事では、メディカルセクレタリー(初級)認定試験の合格率を中心に、勉強法や難易度についても解説していきます。
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メディカルセクレタリーとは
メディカルセクレタリー(初級)認定試験とは、医療機関で「医師事務作業補助者」として業務を行うために最低限必要な医療知識や、医療文書の作成技術があることを認定する資格。
NPO法人日本メディカルセクレタリー機構が認定を行っています。
このメディカルセクレタリー(医師事務作業補助者)という制度が導入された背景には、
- 医師不足・医師の業務過多の問題
- 病院勤務医の負担軽減策の一つとして2008年の診療報酬改定において「医師事務作業補助体制加算」が新設
- 「必ずしも医師が行う必要のない業務を分担し、勤務医の負担軽減を図る」ことを目的
といった点が挙げられます。
また、メディカルセクレタリー(初級)認定試験は、未経験でもメディカルセクレタリーの知識を証明できる入門資格でもあります。
社会人経験があり、医療業界は未経験でキャリアチェンジを目指したい、という方には最適といえるでしょう。
メディカルセクレタリーの業務内容
メディカルセクレタリーは端的に言うと、医師の事務サポートを行う仕事と言えます。
では、より具体的な業務内容について紹介していきます。
医療文書の作成
- 診断書の作成代行
- 紹介状、返書作成代行
- 処方せんの作成代行
- 入院手続きに関する書類の作成代行
- 退院サマリーの作成代行
- 各種保険診断書(入院証明書)作成代行
- 介護保険における主治医意見書作成代行
医療の質を高める業務・作業
- 診療・治療に関するデータ収集・管理
- 院内統計業務
- カンファレンスの準備業務
診療録(カルテ)等の代行記載・入力
- 診療録(カルテ)の代行記載業務
- 電子カルテシステムの代行入力業務
- オーダエントリシステムの代行入力業務
- 診察、検査、手術などの予約代行
行政などへの報告業務
- 感染症サーペイランスの業務
ざっと挙げてみましたが、このように実施できる業務としては大まかに以下の4つの業務。
- 診断書等の文書作成補助
- 診療記録への代行入力
- 医療の質の向上に資する事務作業
- 行政上の対応
一方で、実施できない業務としては以下の6点が挙げられます。
- 医師以外の職種の元に行う業務
- 診療報酬の請求事務
- 受付業務
- 経営・運営のためのデータ収集業務
- 看護業務の補助
- 物品運搬業務
類似の資格として、医療事務の「メディカルクラーク」などがあります。
しかしこうして見てみると、医療事務の重要な業務でもある「診療報酬の請求事務」は行えないことがわかります。
メディカルセクレタリーの合格率・難易度
メディカルセクレタリーの試験内容や、合格率について解説していきます。
メディカルセクレタリーの試験概要
メディカルセクレタリーの試験概要について以下にまとめました。
取得できる称号 | メディカル・セクレタリー(初級) |
認定機関 | 特定非営利活動法人 日本メディカルセクレタリー機構 |
受験資格 | 厚生労働省が医師事務作業補助者配置の基準としている32時間以上の研修を履修した者 |
試験内容 | ・学科:医師事務作業補助基礎知識 筆記(択一式) ・実技:医療文書作成 筆記 |
出題基準 | <学科試験:4単元から出題> ①メディカルセクレタリーの役割 ➁医療サービス提供のしくみ ③医学知識 ④診療録と医療文書 <実技試験> ・診断書・入院証明書(必修) ・入院診療計画書(クリティカルパスを含む)、診療情報提供書、返書および退院サマリーの中 から2問程度 |
試験時間 | ・学科:50分 ・実技:30分 (合計80分) |
受験料 | 6,000円 (※振込手数料別途必要) |
受験方法 | オンライン受験 |
結果通知 | ・試験日より約1ヵ月半後に郵送にて通知 ・合格者には認定証を郵送 |
試験日程や、出題範囲のより詳細の内容については公式ホームページをご覧ください。
メディカルセクレタリーの合格率・難易度
気になる合格率についてですが、公式情報では合格率・合格基準ともに非公開となっています。
そのため、どのくらいの合格率や難易度なのかは正確にはわかりませんでした。
ただ、資格を取得していなくても働くことのできる仕事でもありますので、そこまで難易度は高くないのではないかと考えられます。
メディカルセクレタリーの勉強方法
結論として、メディカルセクレタリーの勉強方法は独学。
教材は、認定機関のNPO法人日本メディカルセクレタリー機構が監修する「メディカルセクレタリー入門テキスト」がおすすめ。
メディカルセクレタリー(初級)資格認定試験の必修テキストという位置づけでもありますし、要点を絞って基本知識が身に付けられる内容となっています。
気になる点としては、完全に独学なため不明点を質問できないことです。
未経験の方には特に不安になる方もいらっしゃるかもしれません。
メディカルセクレタリー資格は何に役立つ?
前項では業務内容についてご紹介しましたが、メディカルセクレタリー(初級)を取得することで、どんな役立つことがあるのでしょうか?
実際のところ、メディカルセクレタリーの業務を行うためには必ずしも資格を取得する必要はありません。
しかしながら、資格取得によるメリットとして
- メディカルセクレタリーとして一定のスキルを持っていることの証明になる
- 転職や就職に役立つ
- スキルアップにつながる
- 今後の将来性が高い
このような点が考えられます。
難易度があまり高くない資格だからこそ、前述したように未経験からのキャリアチェンジがしやすい資格でもあると言えますね。
また、認定機関のNPO法人日本メディカルセクレタリー機構としては、将来的にメディカルセクレタリーのさらに上級資格の普及が重要と考えているとのこと。
欧米ではメディカルセクレタリーの普及・レベルもより進んでいると言います。
今後、日本でも欧米に匹敵するくらいの発展を目指しているようです。
まとめ
メディカルセクレタリーについてのまとめです。
ポイント
- メディカルセクレタリーとは、「医師事務作業補助者」の業務を行うために必要な医療知識や医療文書の作成技術を証明・認定する資格
- 医師の事務サポートが主な仕事内容
- 試験の合格率・難易度は不明だがあまり高くない印象
- 勉強方法は専用テキストでの独学
- 資格取得によりスキル証明や未経験からの転職などに役立つ
今回は、メディカルセクレタリーについて解説していきました。
資格取得を検討中の方、他の機関との比較で迷われている方など、この記事が参考材料となれば幸いです。
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