キャリアと人生。
この2つは現在社会人として就労している方はもちろん、求職中の方にとっても切り離して考えることができない要素です。
特に近年は働き方改革などで雇用形態や労働環境が多様化し、キャリアに関する悩みを抱える人の数もそれだけ増加してきました。
キャリアコンサルティング関係の資格には、国家資格のキャリアコンサルタントと、国家検定のキャリアコンサルティング技能士の2種類があります。
どちらも似たような名前の資格なので、何が違うのか、どちらを受験すべきなのか、難易度など気になってしまいますよね。
そこで今回は、
- キャリアコンサルタントとキャリアコンサルティング技能士の違い
- キャリアコンサルタントとキャリアコンサルティング技能士の難易度
の2点について解説していきます。
キャリア形成に悩む人の役に立ちたいと考えている方は、ぜひ最後までご覧ください!
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キャリアコンサルタントとキャリアコンサルティング技能士の違い
ポイント
- キャリアコンサルタントについて
- キャリアコンサルティング技能士について
- キャリアコンサルタントとキャリアコンサルティング技能士の違い
の3つの視点から紹介していきますね。
キャリアコンサルタントについて
キャリアコンサルタントは、2016年4月から国家資格化されました。
「キャリアコンサルタント」を名乗るためには、試験に合格後、所定の手続きを踏んで登録をしなければなりません。
受験資格については、一般的にはキャリアコンサルティング関係の実務経験が3年以上あることが求められます。
ただし、厚労省が認定する講習を修了した方にも受験資格が与えられることになっています。
その認定講習とは大手資格スクールなどが開講しているキャリアコンサルタント養成講習のこと。
キャリアコンサルタント養成講習は厚労省の専門実践教育訓練給付金の対象となっており、最大で受講費の70%まで国から支援を受けられますよ。
キャリアコンサルタントの具体的な仕事内容については、その資格名が示す通り、キャリア形成に悩む相談者へのキャリアプランの提案などが中心。
キャリアコンサルティング業務自体は資格がなくても行えますが、この資格を有していることで相談者からの信頼を得やすいというメリットがあります。
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キャリアコンサルティング技能士について
一方、キャリアコンサルティング技能士は国家検定で、2級と1級とに分かれているのが特徴。
位置づけとしては国家資格であるキャリアコンサルタントの上位にあり、2級が熟練レベル、1級が指導レベルとされています。
従って、キャリアコンサルティング技能士資格はキャリアコンサルティングの経験を積んだ上で、さらにスキル・技術を向上させるために取得する資格であるといえるでしょう。
2級は「熟練レベル」とあるように、豊富なキャリアコンサルティング経験を活かした深い支援ができることが理想。
単にキャリアに関する悩みだけではなく、心の病気を抱えている方への対応なども求められています。
1級は「指導レベル」といわれている通り、他のキャリアコンサルタントへの指導や教材開発、キャリアコンサルタント養成講習などの講師としての活躍が期待されるポジション。
自分が受け持つ専門領域以外の分野でも一定以上の支援ができることを理想としています。
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キャリアコンサルタントとキャリアコンサルティング技能士の違い
2つの資格の違いについては、大きく分けると、
- 資格が証明する内容の違い
- 保持している技能・知識レベルの違い
の2つです。
どういうことか、1つずつ解説していきますね。
資格が証明する内容の違い
違いの1点目は、資格が証明する内容が異なること。
先述の通り、キャリアコンサルティング業務自体は資格がなくてもできるのですが、相談者としてはやはり専門知識を持っている人に話を聞いてもらいたいと思うものですよね。
これを有していることで、キャリアコンサルティングの基本的な技能があることはもちろん、守秘義務を厳守できること、専門知識を継続的に学習していることを証明できます。
一方のキャリアコンサルティング技能士は、キャリアコンサルティングの技能や専門知識がどのレベルに達しているかを証明する資格。
キャリアコンサルタント資格と併用することで、より高いスキルの証明に繋げることができます。
保持している技能・知識レベルの違い
違いの2点目は、保持している技能・知識レベルが異なること。
先述の通り、キャリアコンサルティング技能士は2級、1級とレベル分けされてはいるものの、それぞれの有する技能・知識はキャリアコンサルタントよりも高度です。
もちろん、キャリアコンサルタントもその道の専門家であることには違いありません。
ただ、キャリアコンサルティング技能士の資格を併せ持っていることでより信頼度が高まり、依頼を多く受けることに繋げられるでしょう。
依頼者側から見るなら、よりレベルの高いキャリアコンサルタントがいるならその人にコンサルティングを依頼したいと思うのは自然なことですよね。
また、1級は「指導レベル」ですから、他のキャリアコンサルタントを育てていく場合に持てるスキルをフル活用することができるのも強みです。
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キャリアコンサルタントとキャリアコンサルティング技能士の難易度
ここからは、2つの資格の難易度について解説します。
まず、キャリアコンサルタントの難易度から説明しますね。
キャリアコンサルタント試験には日本キャリア開発協会(JCDA)が実施するものとキャリアコンサルティング協議会(CCC)の実施するものとの2種類があります。
日本キャリア開発協会(JCDA) | 学科 | 実技 |
申込者数 | 1,731 | 1,705 |
受験者数 | 1,580 | 1,600 |
合格者数 | 1,223 | 1,030 |
合格率 | 77.40% | 64.40% |
キャリアコンサルティング協議会(CCC) | 学科 | 実技 |
申込者数 | 2,609 | 2,652 |
受験者数 | 2,418 | 2,528 |
合格者数 | 1,892 | 1,453 |
合格率 | 78.20% | 57.50% |
どちらの試験も学科・実技ともに合格率が50%以上であることから、国家資格としては比較的取得しやすいといえるのではないでしょうか。
そうはいっても、未経験者が受験資格を得るためには厚労省が認定する講習を修了することが条件ですし、一発合格が保証されているわけではありません。
特に実技試験はロールプレイングが課せられますから、普段からきちんと対策をしておかないと、いざ本番を迎えた時に慌てふためいてしまうことは目に見えています。
合格率の高さに惑わされず、日々の自己学習と研鑽、ロールプレイングの練習をきちんと積み重ねていく努力が必須であることはいうまでもないでしょう。
2級は第27回(2021年12月12日)実施分、1級は第11回(2021年12月12日)の実施分についてそれぞれの合格率を表にまとめてみました。
試験種別 | 申込者数 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
2級学科 | 930 | 869 | 621 | 66.77% |
2級実技 | 1,620 | 1,570 | 308 | 19.01% |
1級学科 | 633 | 594 | 396 | 62.56% |
1級実技 | 769 | 744 | 74 | 9.62% |
2級、1級ともに学科試験の合格率は60%を超えていますが、実技試験については20%以下となっており、かなり狭き門であることがわかりますね。
キャリアコンサルティング技能士試験でも実技試験ではロールプレイングが課せられます。
当然ながら受験レベルが上がるにつれて試験の難易度もどんどん上がっていきますから、ロールプレイングで求められるものもそれだけ大きいといえるでしょう。
まとめ
ポイント
- キャリアコンサルタントは国家資格
- キャリアコンサルティング技能士はキャリアコンサルタントの上位資格
- それぞれの資格が証明する内容が異なる
- 保持している技能・知識レベルがそれぞれの資格で異なる
- キャリアコンサルタント試験の難易度は国家資格としては比較的易しめ
- キャリアコンサルティング技能士試験は実技の難易度が高い
キャリアコンサルタントとキャリアコンサルティング技能士の違いや難易度について解説してきました。
どちらの資格も関わる分野がキャリアという点では同じですが、資格の証明内容やスキルレベルが異なっています。