介護の仕事をしている方を中心に、認知症について正しい知識を学びたい、と考えている方が増えています。
認知症について専門的な知識を体系的に学ぶのであれば、認知症介助士の資格に挑戦してみるのも方法の一つ。
受験資格がありませんので、どなたでも挑戦できる資格です。
この記事では、認知症介助士と、資格取得に活用できるユーキャンの認知症介助士講座について解説します。
今後ますます需要が高まる資格ですので、ぜひ記事の内容をお役立てください。
認知症介助士とは
現代日本では、65歳以上の5人に1人が認知症か認知症予備軍といわれています。
今後も認知症患者は増え続けることが予想されており、誰にとっても身近な問題となっています。
そんな中、認知症の方への正しい対応方法を身につけられるようにと、2014年に誕生したのが認知症介助士です。
認知症介助士の就職先
認知症介護士として働く場所は、認知症の方が利用する施設が中心です。
- グループホーム
- 特別養護老人ホーム
- 介護型老人保健施設
- 有料老人ホーム
- デイサービスセンター
- 訪問介護等の事業所
認知症介護士の資格単体で活かすというより、今もっている資格にプラスして活用していく、という形が中心になるでしょう。
医療、福祉分野で働いている方であれば、資格を取得することで意欲が伝わり、キャリアアップにつながる可能性も。
また、販売や飲食店といったサービス業でも、認知症の方に適切なサービスが行えるとしてアピールできる資格でしょう。
サービスの質を向上させるために、資格取得を推奨する企業も増えています。
認知症介助士の資格を取得するには
認知症介助士の資格を取得するには、主に3つの方法があります。
- 通信講座で学習し、受験する
- 公益財団法人日本ケアフィット教育機構が開講する「認知症介助セミナー」を受講し、受験する
- 独学で学習し、受験する
認知症介助士の資格を取得するには、認知症介助士検定試験に合格する必要があります。
試験の概要は以下の通りです。
受験資格 | 特になし |
受験料 | 3,300円(税込) |
試験方法 | ・会場で受験する ・全国のCBTセンターで受験する ・インターネット経由で受験する |
試験問題・試験時間 | 30問(選択肢)/40分 |
合格基準 | 30点満点中21点以上 ※合格率は9割以上 |
合格者特典 | 後日「認定状」の送付 |
どなたでも受験できますので、学習の仕方はやりやすい形を選んで構いません。
できるだけ費用を抑えたい方は、独学で挑戦する方法もあります。
会場で受験する以外に、インターネット経由での受験も可能ですので、遠方に住んでいる方でも受験しやすいでしょう。
「認知症介助セミナー」は、認知症に関するセミナーと試験がセットになっています。
受講料 | テキスト込:19,800円(税込) |
テキストなし:16,500円(税込) | |
会場 | 東京・大阪・福岡・名古屋 |
セミナーだけでしたらオンラインでの受講も可能ですが、その場合検定試験は受験できません。
試験までセットで終えたい方は、各会場でのセミナーに申し込む必要があります。
日程、時間の詳細は、公益財団法人日本ケアフィット教育機構のホームページに記載されていますので、そちらをご確認ください。
ユーキャンの認知症介助士講座とは
ユーキャンで開講されている認知症介助士講座について、詳しく解説していきます。
認知症介助士講座の概要
受講料 | 一括払い:29,000円(税込) |
分割払い:2,980円×10回=29,800円(税込) | |
教材 | メインテキスト:2冊 |
副教材:認知症予防アイデア100、認知症予防レシピ30、認知症予防手帳作成ナビ、ポケカロ | |
標準学習期間 | 3ヵ月 ※受講開始から6ヵ月まで指導あり |
添削 | 1回+最終課題(検定試験) |
サポート | 質問サービス ※1日3問まで |
認知症介助士講座は、3ヵ月で資格が取得できるようカリキュラムが組まれています。
しかし、仕事や家事、育児と学習を両立しようとすると、思ったように進まないこともあるでしょう。
そんな時でも学習を続けられるようにと、最長6ヵ月まで指導を受けられます。
理解できるまでじっくり取り組みたい、といった方にも嬉しいサービスですね。
分からないところがあれば、質問サービスを利用すればスムーズに解決できます。
独学では、分からないところがあっても質問できる相手がいないので、なかなか理解が進まないことも。
疑問点が解決できるかどうかは、モチベーションの維持にもつながります。
認知症介助士講座の教材
教材 | メインテキスト:2冊 |
副教材:認知症予防アイデア100、認知症予防レシピ30、認知症予防手帳作成ナビ、ポケカロ |
認知症介助士に必要な知識は、メインテキスト2冊にぎゅっとまとめられています。
ユーキャンのオリジナルテキストは、他講座の受講生にも「分かりやすい」と好評なんですよ。
1冊目のテキストでは、認知症の基礎知識を学びます。
認知症には数種類あるため、それぞれの違いを理解している必要があります。
正しい知識を身につけることで、適切な対応をすることができるでしょう。
2冊目のテキストは実践編です。
認知症の方への具体的な支援・介助方法を学びます。
体験談や事例集も掲載されているので、具体的な対応方法だけでなく、心構えを身につけることもできますよ。
副教材は、資格取得後も活用できると好評です。
ご家族が認知症になり、対応を学びたいと講座の受講を決めた方から、特に役立つと評判でした。
認知症介助士講座は在宅受験が可能
認知症介助士講座は、認知症介助士試験の実施団体から認定を受けた講座です。
そのため、添削課題を提出し、検定試験である最終課題に合格すれば、改めて検定試験を受ける必要がありません。
試験会場に出かける必要がないので、なかなか家を空けられない方でも受験しやすいでしょう。
また、ご自分の都合のいいタイミングで取り組めるのもありがたいですね。
受講期間中ならいつでも受験可能です。
ユーキャンの認知症介助士講座の口コミ・評判
認知症介助士講座の受講を迷っている方の中には、実際に受講した方の口コミや評判が気になる、という方もいらっしゃるでしょう。
どのような方が受講し、どのような口コミ・評判が寄せられているのか調べてみました。
認知症介助士講座を受講した理由には、次のようなものがあります。
- 家族が認知症なので、正しい対応を学びたいから
- 福祉業界で働いているから
- 自分自身が認知症になった時に役立つと思ったから
- 家族の認知症進行を止めたかったから
ご家族が認知症になったことで、知識が必要になって受講した、という方が多いようです。
実際に受講した感想として、次のような内容が挙げられています。
- テキストが分かりやすかった
- レシピブックなど副教材が気に入っている
- 一生ものの知識が手に入った
- 家族への接し方が変わった
- 介護する自分の精神状態が安定した
テキストについては、「重要な部分に色が付いていてわかりやすい」「要点がまとまっている」と、良い口コミが多く見られました。
「コラムまでしっかり読んだ方がいい」という口コミもありましたので、ぜひ参考にしてください。
副教材についても、「実践してとても役に立っている」「毎日見ている」と高評価です。
ユーキャン 認知症介助士講座を実際に受けた方にインタビュー
当サイトでは、実際にユーキャンを利用して認知症介助士資格を取得した石川さん(仮名)にお話を伺いました。
どうして資格を取得しようと思ったのか、教材は使いやすかったか、そして取得後の今、石川さんはどう変わったのでしょうか…?
石川さん(仮名) 39歳女性
資格取得日:2017年8月
ユーキャン受講期間:2カ月間
取得のきっかけは知識不足を痛感したから
『Woman資格ナビ』読者の皆さん、はじめまして。石川と言います。
私は整形外科の病院で医療事務の仕事をしています。
私が働く病院には数多くのお年寄りの患者さんが訪れます。
その中には認知症を発症している方や、物忘れが激しくなっている方もいるのです。
認知症介助士の資格を取得する前は、そういった認知症の患者さんにどう接したら良いかわかりませんでした・・・。
急に怒りだす人や、会計をせずに病院を出て行ってしまう人などへの対処がわからず、自分の認知症への知識不足を痛感したのが資格を取得しようと思ったきっかけです。
認知症介助士を選んだポイント
色々調べると、認知症に関する資格はたくさんあり、どれを取得すればいいか迷いました。
しかし以下の点から、認知症介助士は私にぴったりの資格だなと感じて取得を決意しました。
- サービス業に従事する人向け(本格的に介護職勤務している人には向かない)
- 家庭や地域でも知識を活かせる
- 通信講座(ユーキャン)で取得できる
- 在宅試験なので、仕事をしていても取得しやすい
私は介護職に就いているわけではないので、介護福祉士などの本格的な資格は必要ありません。
また、仕事をしながらでも取得を目指せるのは嬉しいポイントです◎
わかりやすいユーキャンの教材と充実の副教材
ユーキャンの教材はとても読みやすく、認知症について何も知らない私でもスッと頭に入ってきました。
テキストは「知識編」と「実践編」の2冊にわかれています。
(実際のテキスト 提供:石川さん)
「知識編」では認知症の症状や認知症介助士の働きについて、そして「実践編」では認知症の人への対応や認知症予防について学びました。
実際に認知症を介助した人の体験談や事例も載っていて、認知症の症状をより深く学ぶことができました。
また、それぞれのテキストでは項目ごとにチェック問題が載っています。
ひとつひとつ確認しながら前へ進むことができるので、学んだことがしっかりと頭に入っていきました。
(チェック問題 提供:石川さん)
さらに副教材として認知症予防に効く『レシピ集』や『アイディア集』がついてきたのも嬉しかったです。
今は人のために認知症について学んでいますが、私だって将来認知症になる可能性はあります。
(実際の副教材 提供:石川さん)
少しでも認知症になるリスクを抑えたり、自分で早期発見できるように準備しておくのも重要ですよね◎
だから私は今でも、ユーキャンの副教材を使って楽しく認知症予防をおこなっています。
簡単!添削課題と在宅でできる検定試験
(実際の添削問題と検定試験 提供:石川さん)
テキストを2冊終えたら添削課題と検定試験に取り組みました。
添削課題と検定試験はまとめて提出可能だったので、一緒に解いて提出しました。
(ただし、検定試験 → 添削課題の順で別々に提出するのはNG。)
検定試験概要
- 3択から選ぶマークシート式
- 30問中24問正解で合格
- 目安時間:45分
- 再試験なし
添削課題は検定試験と同じ形式なので、まさに本番のように取り組むことができます。
試験は在宅受験なのでテキストを見ることができてしまうのですが、一応何も見ずに挑戦…!
少し不安でしたが、選択問題というのもあって、思ったよりも簡単に解き終わりました。
もちろんテキストをしっかりと読み込んで試験にのぞむことが前提ですが、誰でも充分に合格できるかと思います。
資格取得後の今、患者さんへの対応に自信がつきました
(実際の認定状 提供:石川さん)
無事に認知症介助士資格を取得できた今は、認知症の患者さんが来院されても落ち着いて対応できています。
資格を取得する前は「間違った対応をしたらどうしよう」と不安に思っていましたが、今では自信を持って接することができているのが大きな成長です。
さらに認知症について深く学べたことで、もっと人の役に立ちたいという想いも芽生え、仕事へのモチベーションも上がりました。
これからは学んだ知識を職場の同僚に教えて、認知症の人が来やすい病院を作っていきたいです。
まとめ
ポイント
- 認知症介助士は、認知症患者の増加を受けた2014年に誕生した資格
- ユーキャンの認知症介助士講座は、テキストがわかりやすい、副教材が役立つという評価が多い
- 添削課題を提出し、最終課題に合格すれば資格が取得できる
資格取得に挑戦する場合、ご自分の生活に取り入れやすい勉強方法を選ぶことが重要です。
特に、仕事をしながら、家事や育児をしながら勉強しようと思うと、時間のやりくりなど大変な面も出てくるでしょう。
できるだけ負担が少なく、続けやすい方法を選んでみましょう。