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楽器・音楽

ピティナ指導者ライセンスはどんな資格?筆記試験や上級の内容を解説

ピアノの技術だけでなく、楽しさも教えてくれるピアノの先生

ピアノの技術、音楽の奥深さ、上達の楽しさをもっともっと伝えたいという指導者の向上心のために、ピティナ・ピアノ指導者ライセンスというライセンスがあるのを知っていますか?

ピティナ・ピアノ指導者ライセンスについて、分かりやすく解説します。

管理人・茜
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ピティナ・ピアノ指導者ライセンスとは

まずはピティナ・ピアノ指導者ライセンスがどのようなライセンスなのか見ていきましょう。

一般社団法人全日本ピアノ指導者協会(PTNA)が認定する資格

ピティナ・ピアノ指導者ライセンスは一般社団法人全日本ピアノ指導者協会が認定する資格。

管理人・茜
The Piano Teachers' National Association of Japan→PTNA(ピティナ)なのですね。

PTNAの事業内容はこちら。

  • 世界最大規模を誇るピアノコンクール(ピティナ・ピアノコンペティション)運営
  • ピアノ指導者を育成する各種事業
  • ピアノの継続学習を支援する各種事業
  • ピアノ・音楽文化振興のための各種事業

全都道府県の活動拠点を置き、ピアノ指導者の資質向上を通じて、ピアノを学ぶ人たちの成長につなげることを目指すPTNA。

文部科学省や内閣府、YAMAHAやKAWAIなどの楽器会社や、各音楽大学や専門学校などが協賛・協力している協会です。

そして、ピアノ指導者の育成のためにあるのがピティナ・ピアノ指導者ライセンスです。

「学び続ける指導者を目指して」ステップアップしていくライセンス

指導実技・演奏実技・筆記試験・小論文の4種類の試験科目を通じて、ピアノ指導者が自らの指導力の「現在地」を知る検定制度。合格した各級の有効期限は3年間で、更新には継続的な指導を通じて取得するポイントが必要となる仕組みを取り入れています。学習者を育てる指導者こそ、継続的に学ぶ必要があるという視点から生まれた事業です。

引用:PTNAサイトより

ピティナ・ピアノ指導者ライセンスは、

  • 初級指導ライセンス
  • 中級指導ライセンス
  • 上級指導ライセンス

があり、すべての級に合格することで全級指導ライセンスとなります。

どの級からでも受験可能、また、複数の級を並行して受験することもできます。

参加資格は、ピアノ指導者か、ピアノ指導者を目指す18歳以上、大学・専門学校等において、ピアノ・教育に関する専門教育を受けた者、または、同等の能力を有する者となります。

継続的な「指導力の研鑽」を目指し、ピアノを教える生徒とともに成長する指導者を支えるライセンスです。

管理人・茜
ライセンスの試験はどのようなものなのでしょうか?

ピティナ・ピアノ指導者ライセンスの試験内容は

ピティナ・ピアノ指導者ライセンスは、指導実技・演奏実技・筆記試験・エッセイ(小論文)の4種類の試験科目があります。

ざっくりまとめたものがこちら。

指導実技演奏実技筆記試験エッセイ(小論文)
試験内容レッスンの実施(モデル生徒or自身の生徒)4曲の課題曲演奏課題曲に対する音楽の知識セミナーレポート3講座分と課題レポート
受験場所試験会場
オンライン
動画
試験会場
オンライン
試験会場
オンライン
レポートの提出
合格基準3回の参加+3回中1回は75点以上を取得審査員による採点の平均点が75点以上かつ74点以下を付けた審査員が2名以下非公表審査員による採点の合計が225点以上(平均75点以上)

試験は試験科目ごとに全国各地で年間を通じて実施されています。

それぞれどのような内容なのか見てみましょう。

指導実技【モデル生徒に模擬レッスンor動画提出でも】

指導実技の試験は、各級とも3回の参加で合否はつけず修了となる試験。

ただし3回中1回は75点以上を取得しなければなりません。

試験会場での指導実技オンラインでの指導実技動画での指導実技があります。

動画での指導実技は、2021年春から始まりました。

  • 試験会場・オンラインでの指導実技:事務局で手配したモデル生徒に対して10~15分の模擬レッスン
  • 動画での指導実技:自身の生徒への普段のレッスンの様子を撮影して提出

3回のうち、最低1回は試験会場での指導実技に参加しなければなりません

審査員による採点が行われ、「優れているポイント」や「改善が望まれるポイント」などの講評ももらえます。

試験会場・オンラインでの指導実技は、審査員や他の受検者の前での公開のレッスンとなり、試験終了後には先生方や他の受検者と行ったレッスンについてディスカッションをします。

動画での指導実技では、自分の生徒へのレッスンを見てもらうことで、自身のレッスンを見直す機会にも。

管理人・茜
試験ではありますが、自分の指導力を高める機会になるのですね。

試験会場・オンラインでの指導実技では、指導にコンペティションなどで使用される課題曲数曲が各級のレベルに応じて設定され、当日にレッスンする曲が発表されます。

模擬レッスンの時間は、

  • 初級指導実技:10分
  • 中級指導実技:12分
  • 上級指導実技:15分

の時間の中で、モデル生徒の問題点を改善できるように指導します。

その時間の中で、

  • 生徒と適切なコミュニケーションが取れているか
  • 生徒の課題を適切に把握できているか
  • 課題解決のために適切な指導ができているか
  • 時間配分は適切か
  • 指導により生徒に改善は見られたか

などの観点で審査されます。

演奏実技【課題曲の演奏】

演奏実技の試験では、4曲の課題曲を演奏します。(上級は5曲と初見視奏)

指導者として、演奏力を試される試験ですね。

演奏実技は試験会場オンラインでの受験です。

各級の課題曲はこちら。

初級演奏実技:8分以上15分以内

  • バロック:バッハのインヴェンションより任意の1 曲
  • 古典:ソナチネの第1楽章(第1楽章を含む複数の楽章も可)
  • ロマン:自由曲(楽章抜粋、小品の組み合わせも可)
  • 近現代:自由曲(楽章抜粋、小品の組み合わせも可)

中級演奏実技:10分以上20分以内

  • ロック:バッハのシンフォニアより任意の1 曲
  • 古典:ソナタの第1楽章(第1楽章を含む複数の楽章も可)
  • ロマン:自由曲(楽章抜粋、小品の組み合わせも可)
  • 近現代:自由曲(楽章抜粋、小品の組み合わせも可)

上級演奏実技:15分以上30分以内

  • バロック:バッハの平均律(プレリュードとフーガ)より任意の1曲
  • 古典:ソナタの第1楽章(第1楽章を含む複数の楽章も可)
  • ロマン:自由曲(楽章抜粋、小品の組み合わせも可)
  • 近現代:自由曲(楽章抜粋、小品の組み合わせも可)
  • 練習曲:ショパン・モシュコフスキのいずれか1曲
  • 初見視奏:16小節程度の新曲演奏(予見時間:2分間)

2~3名の審査員による審査が行われ、審査員による各採点の平均が75点以上かつ、74点以下を付けている審査員が2名以上でない場合が「合格」になります。

演奏の技術や表現力、選曲内容も審査される試験です。

管理人・茜
合格するためには、しっかり指導してもらって臨む必要がありますね。

筆記試験【音楽知識を試される】

筆記試験は、指導者として必要な音楽の知識が試されます。

筆記試験は、春期と秋期試験会場オンラインでの受験になります。

筆記試験は、全級共通の試験問題。

  • 春期(5月頃):当該年度のピティナ・ピアノコンペティション課題曲
  • 秋期(10月頃):提携コンクール課題曲(日本バッハコンクール、ソナタコンクール、ブルグミュラーコンクールなど)

該当の楽曲を出題範囲とした音楽理論、音楽史、楽曲分析、指導法、リスニングなどの総合問題

合格点は公表されておらず、試験の約1ヶ月後に合否の結果が通知されます。

エッセイ(小論文)【セミナーに参加したレポートと課題レポートを提出】

エッセイ(小論文)の試験内容は、ピティナ・ピアノセミナーの「セミナーレポート」3講座分と、各級の「課題レポート」を提出します。

「セミナーレポート」は、ピティナ・ピアノセミナーには実際の会場でも、オンラインでも参加できますし、ピティナeラーニングの「レポート対象」動画の視聴でも可能です。

各級の「課題レポート」では、各級で設定されたテーマのレポートか、モデルケースに対する指導案かのどちらかを選択し、1,200字程度のレポートをまとめます。

ピアノ指導者としての考え方や指導法を文章にまとめる能力が試され、審査員3名の各採点の合計点が225点以上(平均点が75点以上)で「合格」となります。

エッセイ試験は、年3回(6月末、10月末、2月末)の締め切り日が設けられ、締め切り日から約3~4週間後に合否の結果が通知されます。

ピティナ会員かどうかで異なる参加料

各試験科目を受験する際に参加料が必要となります。

指導実技と演奏実技の試験では、受験する人や受験する人の指導者がピティナ会員かどうかで割引が生じます。

区分はこちら。

  • 一般:受験者・指導者ともにピティナ会員ではない
  • 割引区分1:受験者本人がピティナ会員 または 指導者がピティナ会員
  • 割引区分2:受験者・指導者ともにピティナ会員

参加料はこちら。

参加料

  • 指導実技:回ごとに参加料が必要
初級中級上級
一般13,500円14,500円15,500円
割引区分111,500円12,500円13,500円
割引区分29,500円10,500円11,500円
  • 演奏実技
初級中級上級
一般14,500円15,500円16,500円
割引区分112,500円13,500円14,500円
割引区分210,500円11,500円12,500円
  • 筆記試験
一般5,500円
ピティナ会員4,500円
学生のピティナ会員3,500円
  • エッセイ(小論文):セミナーレポート・課題レポートまとめて提出
初級中級上級
一般3,000円3,000円3,000円
ピティナ会員2,000円2,000円2,000円
学生のピティナ会員1,500円1,500円1,500円

※システム手数料330円がそれぞれかかる

管理人・茜
一般で初級ライセンスを取得するためには、最低約65,000円必要なのですね。

申し込みは、ピティナのサイトから日程・会場などから選択して申し込みます。

参加料の支払いはクレジットカード決済コンビニ支払いが可能。

なお、ピティナ会員には様々な種別が考えられますが、ピアノ指導者の場合、正会員か指導会員が考えられます。

  • 正会員:入会金10,000円 年会費15,000円
  • 指導会員:入会金3,000円 年会費7,500円

ピアノ | ピティナ・ピアノホームページ (piano.or.jp)

ライセンス更新にはポイントが必要

ピティナ・ピアノ指導者ライセンスは取得して安心というわけではありません。

各級とも、取得後3年間で更新ポイントを獲得することでライセンス更新ができないシステムになっています。

更新に必要なポイントはこちら。

  • 初級指導ライセンス:10ポイント
  • 中級指導ライセンス:15ポイント
  • 上級指導ライセンス:15ポイント

※全級持っていて更新する場合は40ポイント必要となります。

更新ポイント獲得方法はこちら。

  1. ステップ、コンペ、提携コンクールに生徒を参加させる:1参加あたり2ポイント
  2. 自身が指導実技に参加する : 1参加あたり2ポイント
  3. 自身が演奏実技、ステップ、コンペ、レッスン見学、Writingに参加・セミナーレポートの提出・エッセイ(小論文)試験を受験:1参加・提出あたり1ポイント
    (ただし、3.の合計は10ポイントが上限)
  4. 新人指導者賞・指導者賞を取得すると、級に関わらずポイント免除

もし3年間の間に必要な更新ポイントを獲得できなかった場合、ライセンス保有が一時的になくなりますが、剥奪ではありません。

3年過ぎたあとでも必要な更新ポイントを獲得することでライセンスが復活します。

ピティナ・ピアノ指導者ライセンスを取得すると?

ピティナ・ピアノ指導者ライセンスを取得することで、指導者としてメリットが。

まず、ライセンスを取得することで各課程の「合格証」が授与されます。

合格証があることで、ライセンスの証明にもなりますし、達成感もありますね。

そして、ピティナのサイトで教室紹介ページと取得者一覧に名前を掲載してもらえます。
合格後3年間は掲載され、その後ライセンスが更新されると掲載が継続となります。

管理人・茜
ピティナ・ピアノ指導者ライセンスの取得方法を知ると、指導力をしっかり持ったピアノの先生であることが分かりますよね。

ピアノを習う時はピティナ・ピアノ指導者ライセンスを持った先生なら安心です。

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まとめ

ポイント

  • ピティナ・ピアノ指導者ライセンスは全日本ピアノ指導者協会(PTNA)認定のライセンス
  • 初級・中級・上級があり、全級取得することで全級指導者となれる
  • 試験科目は指導実技・演奏実技・筆記試験・エッセイ(小論文)の4科目
  • ライセンスを更新するためにも向上心を持って活動することが必要

ピアノを習う生徒の中には、将来プロを目指して、音大希望だったり、大会で上位入賞したかったり、高い向上心を持っている子どももいます。

指導者も向上心を持って接することが必要となりますね。

ピアノの技術も表現力も、そして人間としての様々な感情も理解していないとピアノの演奏は人の心に響かないと言われます。

ピティナ・ピアノ指導者ライセンスに挑戦することで、生徒とともにピアノの世界を広めていける指導者になりたいですね。

管理人・茜
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